PLAN & CONCEPT

糸魚川市郊外の田園地帯。98坪のゆとりある敷地に立つこの住まいは、延床面積48坪のゆったりとした2世帯住宅です。

農業を営んでいることから、メインの玄関とは別に、勝手口と広い土間空間を設けているのが特徴。

そこからランドリールーム、脱衣室、浴室へと繋がる充実のバックヤード動線を築いています。

住まいの中心は6畳分の吹き抜けがあるリビングで、南からの光をたっぷりと採り込めるように、2階にも大きな窓を設けました。

また、大人数で集まる時に重宝するヌックのような出窓は、家の中に居ながら外の空間を楽しめる心地いい居場所になります。

少ないエアコンでも温度差が生まれないように、プランは開放的に。

LDKを中心につくられた回遊動線は、6人家族のスムーズな移動を叶える役割も担います。

EXTERIOR DESIGN

中央は4間×4間の総2階。その両翼に左右非対称の下屋を設けることで、表情豊かな外観をつくり出しました。

外壁の大部分は地元の糸魚川産杉を採用。奥の勝手口がある下屋は左官仕上げにして変化を付けています。

北西からの海風が強い地域柄、ポーチは風の影響を受けにくい東南側に配置し、悪天候でも落ち着いて出入りができるように1坪の空間を確保しました。

MATERIAL

経年変化を味わえる本物の素材を使いたいという思いから、内装仕上げの多くに自然素材を使用しています。

直接肌が触れる床には、柔らかく温かみある糸魚川産杉を、土間にはクラックが入りにくい樹脂モルタルを使用。

造作家具や床の間には、ブナやトチノキ、ヒノキ、ケヤキ、エンジュなど、さまざまな樹種を使用。天然木の味わいを家の中の至るところで感じられます。

｜大きな吹き抜けがあるLDK

ヒノキの丸柱が印象的なLDKがこの家の中心。キッチンの手前には家族の人数に合わせて6列の棚を造作しました。

｜ヌックのような出窓と、6mm厚の窓枠

幅3mを超える出窓は、座るだけでなく横になってくつろげる程のゆとりがあります。厚さ6mmの薄いベイツガの窓枠は、壁内に隠された合板と組み合わせて使用。建具職人に求められる高い精度の加工を自社で行っています。

｜底冷えしない玄関土間

土間からの底冷えを防ぐため、断熱材を敷き、その上に下地を張って樹脂モルタルで仕上げた玄関。自転車も置ける3畳のシューズクロークが付いています。

｜左右対称の引き分け障子

1階に配されたご両親の寝室は6畳。シンメトリーが美しい引き分け障子は、大きく開放できるのが特長です。

｜建具&下がり壁は最小限に

LDKへと続く廊下から家族が集まるダイニングテーブルが見えます。建具や下がり壁がないため、空気が留まらずによく流れます。

｜自社加工の間柱を使った手すり

吹き抜けに面した2階ホールの手すりには、自社製材のヒノキの間柱を使用。間柱に使うにはもったいない美品を活用しました。

｜糸魚川産ブナカウンターの洗面台

LIXILの洗面ボウル「ピアラ」と、糸魚川産ブナのカウンターを組み合わせた造作洗面台。幅広の洗面台は2～3人で並んで使えます。

｜ケヤキを使った床の間

玄関のそばにある和室は光が抑えられた落ち着ける空間です。柱の左側が床の間で、右側が仏間。床の間には床下エアコンのガラリも見られます。床板にはケヤキを、仏間の框にはエンジュを使用しました。

｜ヒノキのカウンター付きトイレ

ペンダントライトが優しい光を放つトイレ。カウンターには上品な柾目のヒノキの幅はぎ材を使用しました。

｜接合部にこだわった鉄骨階段

TAKUMIが初めて採用する鉄骨階段は、接合部を窓枠に埋め込むように納めています。あたかも鉄骨が窓枠から生えてきたかのような見え方になっているのが特徴です。

｜青空をイメージしたブルーのトイレ

施主様が希望した「青空をイメージしたトイレ」。TAKUMIでは、このような遊び心も大事にしています。

｜床下エアコン

TAKUMIで初めての採用となる床下エアコンは、目立たないようにサンルームに設置しました。温められた床下の空気は、各部屋の床のガラリから上がり、家じゅうがじんわりと暖められる仕組みです。

｜日本海を望む子ども部屋

2階に配された子ども部屋の窓からは周辺ののどかな田園風景と日本海が望めます。

｜農業用の勝手口

勝手口がある3畳の土間空間。その隣には3畳のランドリールームがあります。農作業に使う道具を置いたり、土で汚れたものを洗濯したり。農家ならではの使い勝手を考えた空間です。

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