リビングとつながる、広い軒下空間のある住まい。
PLAN & CONCEPT
約80坪の敷地に立つこの家は、9尺グリッド(4.5畳)を1単位として平面計画がなされています。
それが特に分かりやすいのがLDK。
①キッチン、②ダイニング、③階段まわり、④リビング、⑤書斎、⑥小上がりがそれぞれ9尺×9尺のモジュールになっており、その正方形モジュールでゾーニングをしています。
また、収納スペースをたっぷり取ったシューズクロークや、ガス衣類乾燥機付きの脱衣室、2方向から入れるウォークスルークローゼットなど、家事を楽にする工夫やスムーズな動線も計画。
断熱性能はUA値0.28(HEAT20G2基準)で、冬場はエアコン1台で家中を暖房可能。2階まで暖気が行き渡るように、リビングの上を4.5畳の吹き抜けにするなど、空気の流れも計画しています。
EXTERIOR DESIGN
建物の形状は敷地と同じ東西に長い長方形。
南側に雁木のような深い軒をつくることで、日射しや雨から建物を守ると共に外観のバランスも整えています。
ポーチとウッドデッキを一体にしているのもこの家の特徴で、デッキには油分が多く水に強い宮崎県産の飫肥杉(おびすぎ)を使用。
1階の軒下の外壁には糸魚川杉を、それ以外の外壁は白いガルバリウム鋼板でまとめています。
MATERIAL
床材の杉はTAKUMIのモデルルームでも使用している糸魚川産。
材料を歩留まりよく使うために、9尺グリッドで区切られる部分にはフローリングを垂直方向に張り、「朝鮮張り」のようにしています。
フローリングは自然塗料仕上げ。愛着を持って使って頂けるように塗装にはお施主様にも参加をして頂きました。
柱は国産杉で、リビングの2本は化粧柱として使用しています。
|杉がふんだんに使われた軒下
深い軒が架かったデッキは雨の日も過ごせる屋外空間。壁の黒味がかった杉板にはウッドロングエコが塗装されています。
|使い方自由自在のシューズクローク
玄関から続くシューズクロークはゆとりある広さ。自由に棚やハンガーバーをレイアウトできる可動棚付き。
|帰宅後すぐに手洗いができる洗面台
洗面台は玄関ホールに設けられており、外から帰ったらすぐに手を洗うことができます。その隣には脱衣所があり、帰宅時のスムーズな移動を叶えます。
|3畳のウォークスルークローゼット
脱衣室と玄関前の廊下の両サイドから入れるウォークスルークローゼット。使い方の自由度が高いシンプルな空間です。
|リビング全体を見渡すセパレートキッチン
セパレート型のキッチンから眺めるLDK全景。2階の大窓から吹き抜けを介してリビングに注ぐ光が神秘的。
|家事をスムーズにする水回り動線
キッチンと脱衣室兼ランドリーは同一直線状にレイアウト。家事の負担を軽減する動線です。
|LDKの中心は吹き抜けリビング
リビング上の4.5畳の吹き抜けが空間に広がりをつくり出します。左の小上がり、右のダイニングもそれぞれ4.5畳。
|家族みんなのワークスペース
LDKの奥まった場所は壁付けのデスクが造作された書斎。幅広のデスクは家族みんなで並んで使うこともできます。
|引き出し収納を備えた小上がり
4.5畳の小上がりは寝室やゲストルームとしても使える広さ。下部を収納として使えるのも小上がりのメリットです。
|光と空気を通す吹き抜け
リビングから見上げる吹き抜け。8畳用エアコン1台で全館冷暖房を実現します。
|3つの個室が配された2階
2階には寝室と子ども部屋2室をレイアウト。吹き抜けと階段が空気の循環を促し、温度差の少ない温熱環境をつくり出します。
|将来2部屋に仕切れる子ども部屋
子ども部屋は収納部分を入れて11畳。中央部分に間仕切り壁をつくれば5.5畳×2室に分けることができます。
|天井高2,100mm、4.5畳の寝室
2階の主寝室は4.5畳とコンパクトですが、眠るためだけの部屋と考えれば十分な広さです。天井高も2,100mmと低めにすることで籠もり感をつくり出しています。
DATA
家族構成 | 3人 |
竣工年月 | 2022年12月 |
延床面積 | 127.90㎡(38.69坪) |
UA値 | 0.28 |
C値 | 0.1 |
耐震等級 | 3(積雪1m、許容応力度計算による) |
換気システム | 第3種換気 |
構造材加工法 | 大型パネル(初採用) |